2010年1月23日 (土)

【クローズアップ】地上最強のデュオ

Cdjacket_20090926192915s_3前回記事で予告したとおり、年末年始は読書三昧でまったりすごしました。昨年もっとも売れた本といえば、村上春樹の『1Q84』ですね。この小説、音楽が効果的に利用され、ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』がCD売上ランキングの上位に突如登場するなど、一種の社会現象を巻き起こしたりしました。そして、「地上最強のデュオ」として祭り上げられたのが、「ソニーとシェール」なのでした。今回はその片割れ、シェールの曲をクローズアップしてみようと思います。

悲しきジプシー/シェール

1971年のヒット、きらきらしたイントロ、粘着的でダイナミックな歌唱が魅力的ですね。彼女を見いだしたソニー・ボノと18歳の時に結婚、デュオで活躍しました。75年に離婚後、オールマン・ブラザーズ・バンドのグレッグ・オールマンと再婚そして79年に離婚と波乱に満ちた人生を歩んでいますが、98年には「ビリーヴ」が世界的な大ヒットを記録しています。また、「イーストウィックの魔女たち」(1987年)に、女優として出演したことも特筆しておきたいと思います。試聴の動画はこちら、ソニーとのデュエットはこちら、ダウンロードはこちらでどうぞ。

シェールを採り上げたことにインスパイアされて、次回以降あとふたりほど、当時の個性派女性歌手をご紹介していきたいと考えています。さて、私事ですが、今年初日の通勤途上、思いもかけないいいことがありました。心の中で祈ったことが現実になる・・・。「今年のオレはついてるぞーっ!」などと脳天気に浮かれつつ、2010年が幕を開けています。

Cher/Best Of - Millennium Collection

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2009年4月11日 (土)

【このコト】ダンス

Fits テレビCMでダンスといえば、グリコポッキーのユニークなダンスが記憶に残ってますね。新垣結衣がブレイクするきっかけにもなりました。今は2代目忽那汐里がさらにバージョンアップしたダンスを見せてくれています。そして今、はまっているのが、ロッテフィッツのCMで、佐々木希と佐藤健がそれぞれ街中や公園で踊るダンスです。好みが分かれるところですが、振り付けの奇抜さに引きつけられるんですよね。そしてバックの音楽の原曲がわかる人は、同年代以上ということになるんでしょうか。NETテレビ(現テレビ朝日)で1963~65年に放映されていたアニメ「狼少年ケン」のテーマ曲なんですね。ご存じない方のために、こちらで確認してみてください。

ダンスにインスパイアされて、カテゴリー別に関連アイテムを上げてみました。

Uicy6462_180 【1970年代洋楽】ダンス・ウィズ・ミー/オーリアンズ

アコースティックなサウンドが、イーストコーストのさわやかな風を感じさせます。75年、全米6位まで上昇しました。試聴はこちらでどうぞ。

51rjjdi7lsl__ss500_ 【この映画】フラッシュダンス

ジェニファー・ビールス主演、一流のダンサーを目指し、日々の仕事に明け暮れる。夢を持ち続けることの素晴らしさって感じですかね。フレッシュマンが街角にあふれる今の時期に似合う映画です。アイリーン・キャラが歌うテーマ曲「What A Feeling」もヒットしました。

21z0bay9ynl__sl500_aa140_ 【この本】ダンス・ダンス・ダンス

村上春樹の「羊をめぐる冒険」の続編。読後感が良かった作品です。

ダンスをキーワードにして、いろいろ並べてしまいました。が、しかし、何の脈絡もなかったですね(笑)。それはともかく、新年度を迎え、身の回りの環境が変わった人も多いはず。ダンスのステップを踏むように、新たな挑戦の第一歩にしてみたいものです。

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2008年11月 9日 (日)

【クローズアップ】キャロル・キング

今回は最近気になっている各ジャンルのアイテムを、オムニバス形式でお届けします。

【1970年代洋楽】女性シンガーソングライターの草分けといわれているこの人、素朴な歌声31na2baafigl__ss500_ の中に芯が一本通っている、そんな感じがします。

イッツ・トゥー・レイト/キャロル・キング

1971年に5週連続全米No.1を獲得した名曲です。曲が納められているアルバム「つづれおり」も世界で驚異的セールスを記録した名盤として知られています。他にも「スウィート・シーズンズ」、「ジャズマン」、「ソー・ファー・アウェイ」等のヒット曲がありますね。他のアーチストによってカバーされている曲として、ジェームズ・テイラーの「君の友だち」、カーペンターズの「小さな愛の願い」があります。後者の原題は「It's Going To Take Some Time」ですが、当時キャロルのアルバムでの邦題は「しなやかな冬の若木の小枝のようになりたい」でした。少し長いですが、凛々しさが感じられるタイトルですね。歌詞はこちら、試聴とダウンロードはこちらになります。

【この本】できそこないの男たち (光文社新書 371)

久々に読み進むごとにわくわくするノンフィクションに出会いました。分子生物学者の筆致は、一般読者を無意識に独自の世界に引きずり込むほどさえています。ただし、エピローグでの展開はちょっとなぁ、というはずされた気持ちが残りますが。新聞や雑誌への寄稿でも活躍されている、著者の福岡伸一先生にはこれからも期待したいですね。

【このコト】テレパス

Top_ver1 ブログの構成上、このカテゴリーでご紹介します。NHKドラマ「七瀬ふたたび」で、主人公七瀬(蓮佛美沙子)が持つ超能力の一種です。人の心が読めたらと思う反面、少し恐ろしいことになるかもしれません。筒井康隆のSF小説が原作、学生時代に読んだなぁ。3部作中の最終作「エディプスの恋人」、崇高でスケールの大きな小説です。NHKでは1979年に続く2回目のドラマ化、17歳の蓮佛美沙子が輝いてますねぇ。

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2006年11月11日 (土)

【クローズアップ】松下奈緒

Intro_001阿部寛との共演による映画「アジアンタムブルー」の公開を18日(土)に控え、最近露出が多くなってきている女優、松下奈緒に注目してみたいと思います。女優ですがモデル出身の現役音大生、ピアニストといったプロフィールが売りですねぇ。僕も正直その品の良さに惹かれます。この初出演にしてヒロイン役を射止めた映画「アジアンタムブルー」、大崎善生の原作読んでますが、たぶんニースの風景がきれいに撮られていることでしょう。

先月発売されたデビューアルバム「dolce(ドルチェ)」、彼女のピアノ演奏が全編で味わえるわけですが、映画のテーマ曲、挿入曲はもとより、テレビドラマ、CMのタイアップ曲で構成されており、周辺業界の力の入れ方が推し量られる内容となっています。曲目リストは以下のとおり。

70004060

1. ショコラ
2. ブランシュ
3. ティル・ナ・ノーグ
4. エカテリーナのための協奏曲
5. 恋におちたら image version
6. 露草
7. Bossa ’Wish’
8. ラ・ベル
9. アジアンタムブルー組曲 第1曲:海辺にて
10. アジアンタムブルー組曲 第2曲:運命
11. アジアンタムブルー組曲 第3曲:藍の記憶
12. Barcarolle(舟歌)
13. 夏の美術館
14. Flawed Piano Version

15. わんこ

5はドラマ「恋におちたら~僕の成功の秘密~」(2005年、CX)主題歌のカバー、15は森永プレミオココアのCF曲などなど、個人的にはドラマ「タイヨウのうた」(2006年、日テレ)挿入歌となっている 7の「Bossa ’Wish’ 」をお薦めします。以上、試聴およびダウンロードはこちら、期間限定のPVはこちら(SPECIALよりお入りください)になります。マルチに活躍する松下奈緒さん、今後方向性が決まってくればさらに注目される人になりそうですね。

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2006年1月22日 (日)

【この本】博士の愛した数式

昨日一日中降った雪が10センチくらい積もり、一転冬晴れとなった東京地方から今日もお届けします。さて、今回ご紹介するのはこの本です。

博士の愛した数式/小川洋子

kurita 寺尾聰、深津絵里らが出演し、映画化されました。社会からほとんど隔離された老数学者とそのもとに派遣された家政婦そしてその家政婦の小学生の息子、この3人の中に、われわれの日常生活にほとんど関係しない数式を通して、ほのぼのとした愛情が生まれていくという物語です。モノには実用性、知識には有用性、人には即戦力がとかく求められる昨今、数学の中の美意識を通じて、今一度われわれの価値観を考え直してみようと思いたくなります。本書→「世にも美しい数学入門」→「国家の品格」というふうに読み継いでいくと見えてくる率直な感想です。

さて、話が東京で降った雪で固めた雪玉のように堅くなりましたので、今回はおまけとして、最近「採取」したCM音楽ご紹介しておきます。ホンダストリーム青春に乾杯/ミッシェル・デルペッシュ」、トヨタエスティマビヨンド・ザ・シー/ボビー・コールドウェル」です。ビヨンド・ザ・シー、「ファインディング・ニモ」のエンディングでも使われてましたね。試聴はこちらこちらでできます。

↓迷わずクリックしてみてください↓

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2005年11月12日 (土)

【この本】パイロットフィッシュ/大崎善生

今回は久しぶりに本の紹介をしてみます。大崎善生の「パイロットフィシュ」なんですが、青春時代の人との出会いと別れ、甘く切ない想い出としての過去の回想、そして現在。そんなものがうまくちりばめられた小説ではないでしょうか。

作品中、主人公が彼女に話して聞かせた「スウェーデンの4人組のロックバンド」とは当然「アバ(ABBA)」のことですね。ヨーロッパのみならず、アメリカ、日本でも売れまくり、まさに世界的ヒットメーカーとして70年代から80年代にかけていろいろ楽しませてもらいました。「ダンシング・クイーン」「チキチータ」などなど十指に余るヒット曲がありますね。この2曲については「ザ・セブンティーズ」、「ザ・セブンティーズ2」という究極のオムニバスCDでそれぞれ採用されています(また両曲とものちにTVドラマで使われていたようです)。

ityo3-450 そんな中でお薦めしたいのが、「木枯らしの少女」。これは日本でのデビュー曲で男性デュオ「ビョルンとベニー」として紹介されました。そしてもう1曲、「落ち葉のメロディ」。美しいメロディラインが印象的なので、この深まる秋の季節にぜひ聴いていただきたいと思います(2曲ともリンク先で試聴できます)。

そんなこんなで今日東京で木枯らし1号が吹いたということから連想して、本を仲立ちにアバの曲とり上げてみました。ちょっとこじつけみたいでしたが、ちまたではそろそろクリスマスの話題が出始めるこの時期、個人的にはせめて11月いっぱいはもの思いにふけりながらの音楽や読書で、まったりとした時間を過ごしてみるのも悪くないと感じています。

↓さあ、今日は何位になっているのでしょう?↓

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2005年8月25日 (木)

【この曲】獅子座(trump)

台風11号が接近中で雨ザーザーの関東地方ですが、さてここで臨時ニュースをお伝えします。7月29日付記事でご紹介した、新橋駅前でライブやってた'trump'の3人組がクラリオンミュージックオーディションで、みごとグランプリ獲得されましたぁー(拍手、拍手、パチ・パチ・パチ)。おめでとうございまーす。一時は8位くらいを迷走されており、心配してたんですが結果的に快挙を成し遂げたって感じですよね。trumpの皆さんも新橋でライブやった甲斐あったし、僕も応援した甲斐がありました。グランプリ取った「獅子座」はじめ3曲オーディオプレーヤーに入れて時々聴かせていただいていますが、このバンド楽曲的に優れていると思います。練りに練った音楽かな~。これからがスタートと思ってますますご活躍されることを期待したいとおっもいまーす。

合わせて応援していたクラリオンガールの方、’はるの’さんもみごと特別賞のメディアプライズ獲得されました。自分がダブル受賞したみたいで、本当にうれしいです。ちなみにグランプリは佐野光来(さのみく)15歳が取りました。

ついでといってはなんですが、せっかくだからCMの話題。山田優とか3人のモデルが軽快な曲にのせてカッコよく踊っているファッション雑誌「CanCam」(すいません誤植がありました。いままでずっとCanCanと思いこんでました)のCM、ごらんになったことありますか(リンク先の右下方、「CanCamCMはコチラ!!」をクリックするとCM動画が見られます)?ここのバックでかかっている曲は7月9日付の記事でご紹介したドゥービー・ブラザーズの「チャイナ・グローヴ」のイントロ部分なんですよ~ん。エコーがきいた歯切れの良いギターの音にのせて、さあこれから歌い出すという寸前でちょん切られています。この使われ方少し欲求不満残りますねぇ。まあ、それはいいとして、次回の予告しておきましょう。台風が去って行ったあと、残暑があるにしても確実にやってくるこの秋、CanCamではないですが、若い女性へのアドバイスをしてみたいと思います。お楽しみに~。

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2005年5月30日 (月)

【この本】たのしい中央線/太田出版

JR中央線沿線に住み続けること17年、このたぐいの本が出るとやはり内容が気になりますね。

たのしい中央線/太田出版

小型のいわゆるムックでデコ有限会社という荻窪の会社が編集してます。執筆、取材、インタビューの人たちがすごい。また例によって列挙させていただきますと、リリー・フランキー、角田光代、高田渡(先日56歳で他界されました。ご冥福をお祈りします)、みうらじゅん(マイケルに引き続き二人目の僕と同じ年生まれの人発見です)、松田美由紀等々いかにも濃~い方々なわけでして、インタビューあり、写真あり、登場者自身の街取材ありとなかなかバラエティに富んでいます。しかし東京にJR、私鉄あまたあれども中央線ほど独特な文化を形成している沿線は他にないのでは。駅一つ一つそれぞれ個性ありますよね。祭りもいろいろあるし、高円寺の阿波踊りがいちばん有名なんでしょうか。あと阿佐ヶ谷の七夕、三鷹も阿波踊りで、武蔵境はサンバとへそ踊り、吉祥寺はアニメあるいは音楽祭とか。沿線の会社もユニークですね。中野にまんだらけの本社があると思えば、アメックス日本支社がなんと荻窪にあったりすることご存じでしょうか。やっぱり中央線は本になるくらい特長あるんですよね。別にひがんでいるわけじゃないけど、東横線や田園都市線のようなハイソとか気取った雰囲気はあまりないですね。自然に無理せず生きている人が多いような気がします。

さて、前回【この本】でとりあげた角田光代さん(ご自身のランチ写真日記がたのしい)がだぶっているわけですが、荻窪の仕事場を今後西荻に移すようなこと言ってます。そうすると我が敬愛の大崎善生サンと遭遇することになりますねぇ。異常接近はあるのでしょうか?片や恋人がいるというウワサで、片や妻帯者ですから別に何ともないでしょうね。

話はいつものようにかなりぶっ飛んで、首都圏のJR電車、車両更新がすすみ、山手線、京浜東北、総武線(各停)おなじみの車体の色がステンレス車になって、帯の色だけになってしまったのは少し淋しいです。その点中央線の電車はその流れに逆らい、相変わらず全身柿色に染め、ラッシュ時には2分30秒間隔で僕らを毎日運んでいるわけです。カンバレ!中央線。

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2005年5月 6日 (金)

【この本】対岸の彼女/角田光代

ゴールデンウィークもほぼ終わり、カレンダー通りの休日をこなしたわけですが、幸い天候にも恵まれ(東京地方)、毎日違ったテーマでレジャーを敢行し、しばし自己満足の世界に浸っております(笑)。中でも昨日(5月5日)参加したウォーキング大会(10km)は、心地よい春の日差しと風の中を自然と接しながら軽く汗を流すことができて最高でした。お金をかけずに楽しみたい方に一押しでお勧めしますよ~ん。

さて、タイトルで【】付のものはブログのテーマと関係なく、良かったものをとりあげていきたいと思います。今回は最近読み終えて良かった本です。

対岸の彼女/角田光代

第132回直木賞受賞作ですよね。最初読み始めて我が子の公園デビューとか出てきたので子育てする母親が人間関係に苦労する話かなと勘ぐったのですが、見事違いました(笑)。人との関わりは自分がいやなら避けて通れるけど、そのやっかいなことに敢えていどんでみるのも悪くないということでしょうか。自分の内面を遠慮なく吐露できるのはカミサンだけかなと思っていたんですが、どうやらそうではなく同姓の友人に話した方が共感を得られることもあるんだなぁとちょっと感じたりもしています。小説中職業としての掃除の場面が出てきてますが、これがある意味主題とも絡んでくるような位置づけではないのかな。家事を主婦(主夫)の仕事ととらえるのか、あるいは商売のネタととらえるのかといった発想の違いですね。掃除、洗濯、料理等、それぞれの道を究めようと思えばかなり奥深いものがありますものねぇ。村上春樹も好きでよく読みますが、作品の登場人物がワイシャツを洗濯してきちんとアイロンがけまでしてますよねぇ。これ作者から読者への暗黙のメッセージじゃないのかな。あれこれいう前に自分の身の回りのことはきちんとしようという・・・。

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